株式会社ヨコオ

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CSR推進

気候変動への対応

基本的な考え方

ヨコオグループは、「環境」を重点課題(マテリアリティ)の1つに選定するとともに、環境方針および行動指針において温室効果ガス(GHG)排出量(Scope1・2)の削減目標※1を掲げ、気候変動対策に取り組んでいます。
その具体的な施策内容と進捗状況はCDPの枠組みで開示しており、Scope3における温室効果ガス排出量削減への取り組みについても、今後さらに強化しています。

なお、ヨコオグループではGHG総排出量について2019年度分より第三者保証を受けており、GHG総排出量や気候変動対策の取り組みについては、2017年度分よりCDPへ開示をしています。今後も、2050年のカーボンニュートラル実現に向けて、気候変動への対応を強力に推進するとともに、事業活動を通じた社会の発展に貢献していきます。

※1 2030年度に、自社工場からのScope1・2における温室効果ガスを2014年度比で35%削減する

TCFDへの対応

ヨコオグループは、2021年10月にTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言への賛同を表明することを取締役会で決定しました。CDPの枠組みにおいて、TCFD提言の気候関連財務情報開示の中核要素であるガバナンス、戦略、リスク管理、指標と目標に沿って情報を開示しています。

  • TCFD
    TCFD公式サイト:TCFD
ガバナンス・体制

ヨコオグループは、気候変動対応においてガバナンス体制を強化しており、気候変動対応に関わる投資を行う場合は、取締役会で事業機会やリスクを評価し、合理的判断のもと意思決定を行っています。代表取締役は気候変動を含むマテリアリティの基本方針と施策に関するリソース投入の承認を行っており、気候変動への対応を監督する責任を負っています。
取締役および執行役員の報酬決定基準にも気候変動への取り組みに関する実績評価を組み込み済みであり、代表取締役(社長)が評価を行ったうえで、指名・報酬諮問委員会(委員の過半数を独立社外取締役とする)に諮問します。同委員会で審議し決定した原案を、委員長である独立社外取締役が取締役会に答申し、取締役会で決定しています。

また、ヨコオは2022年10月に、グループで特定している3つのマテリアリティ(環境/地域社会/多様性と包摂性)に対して包括的に取り組む機関として、サステナビリティ委員会を設置しました。
サステナビリティ委員会は、執行役員社長を委員長とし、委員である執行役員専務・常務とオブザーバーである常勤監査役・社外取締役により構成されています。
当委員会では、気候変動対応を含むマテリアリティとその取り組み課題への目標達成に向けた方針策定を行うとともに、ヨコオグループのサステナビリティに関する取り組み状況を取締役会に報告/情報共有する体制を担っています。

サステナビリティ委員会体制

サステナビリティ委員会体制

戦略
シナリオ分析
気候関連のリスクと機会を特定・評価し、気候関連課題が事業に与える中長期的なインパクトの把握のため、車載通信機器、回路検査用コネクタ、無線通信機器の3セグメントを想定し、分析を実施しました。分析では、産業革命前に比べ 2100 年までに世界の平均気温が 3℃上昇すると想定したシナリオと、気温上昇を1.5℃未満に抑えられたシナリオを採用し、移行リスク・機会に関する分析と災害などによる物理的変化(物理リスク・機会)に関する分析を実施しました。
ヨコオグループのビジネスへの影響
気候関連リスクと機会がヨコオグループの戦略に及ぼした影響
影響を受けた戦略分野 影響の説明
製品およびサービス ヨコオグループが提供する主な製品・サービスは、車載通信機器、回路検査用コネクタ、無線通信機器の3セグメントでの製造・販売です。製造業では設計と製造が事業活動の主体となりますが、排出量が大きい製造段階におけるGHG排出抑制活動が重要となります。
今後、2015年のパリ協定による国の方針や2020年10月の日本政府による2050年の「カーボンニュートラル宣言」などを受けて、規制の強化等により大幅なGHG排出削減が要請されるのは確実です。当社グループとしても、よりGHG排出量の少ない製品を開発し、市場へ供給することが必要であり、技術提案力と競争力の強化が鍵となります。
サプライチェーンおよび/またはバリューチェーン ヨコオグループのサプライチェーンおよびバリューチェーンは、製品を構成する資材(原材料、二次製品など)の生産・調達と、自社の製造工場での生産にかかわるものに大別されます。
2015年のパリ協定による国の方針においても部門別の2030年度の排出量目安が示されており、資材生産や生産工場は産業部門に該当することから、削減が求められると想定されます。具体的には、気候変動抑制のためのGHG排出抑制に向けた対策から、資材生産時や製品生産時のGHG排出抑制のための規制強化に伴い炭素税の賦課や追加の設備投資などによるコスト増加が想定されます。
研究開発への投資 ヨコオグループは、車載通信機器、回路検査用コネクタ、無線通信機器の3セグメントにおいて、常に先端製品の開発・供給を目指しており、技術開発・研究開発が事業成長には極めて重要です。
2015年のパリ協定による国の方針や法規制によりGHG排出量の大幅な削減が求められるなか、それを実現するための技術の開発・保有が必要不可欠です。具体的には、カーボンニュートラル生産やカーボンニュートラル製品に関する技術開発が課題となります。
運用 ヨコオグループの主力事業である車載通信機器事業、回路検査用コネクタ事業では、工場の生産工程からのGHG排出量が多く、脱炭素化に向けた社会的潮流は、炭素税、再生可能エネルギー導入量・価格など、さまざまな運用リスクと機会があります。このようなリスク・機会を踏まえヨコオでは、2030年度に2014年度比で35%の自社工場からの温室効果ガスを削減(Scope1・2)することを目標に具体的な施策を推進しており、工場の操業に伴う排出量の削減は重要な課題となります。
気候関連リスクと機会がヨコオグループの財務計画に及ぼした影響
影響を受けた戦略分野 影響の説明
資産 シナリオ分析の結果、低炭素化・脱炭素化への対応が喫緊の課題であるとの認識から、新規建物構築やオフィス選定に際してより高い省エネ性能を求めたことで、より高い取引価格となったという影響がありました。また、生産設備およびその付帯設備、工場インフラ機器、社用車(BEV・HEV、急速充電器)等についても、同様の影響がありました。
リスク管理

ヨコオグループは、車載通信機器、回路検査用コネクタ、無線通信機器の3セグメントで事業を展開しており、すべてのセグメントで気候変動を含む企業活動や行動に関するリスクと機会を洗い出すとともに、その影響度を数値化して管理しています。
気候関連リスクの特定および評価は、サステナビリティ推進部が主催する環境管理委員会の運営プロセスの一部として、毎年の定期的な評価と、必要に応じて臨時の評価を実施しています。同委員会を構成する各部門ごとに、それぞれの業務プロセスから気候関連リスクを洗い出し、リスク評価を行った上で委員会事務局が集約、全社的リスクを特定し、サステナビリティ推進部長および環境担当役員の承認を経た後、全社的リスクとして取締役会に報告しています。

目標

ヨコオグループは、2050年のカーボンニュートラル実現に向けて、温室効果ガス(GHG)排出量(Scope1・2)を2030年度に2014年度比で35%削減することを目標としています。
今後も、目標の達成に向けて系統電力における再生エネルギー拡大、エネルギー原単位削減、自家消費型再生エネルギー導入、グリーン電力調達などを柱として加速させるとともに、Scope3における温室効果ガス排出量削減への取り組みについても強化していきます。
(Scope・カテゴリー別のGHG排出量の内訳はESGデータ集を参照)

温室効果ガス(GHG)排出量
(単位:t-CO2)
期間
2014年度(実績) 2022年度(実績) 2030年度(目標)
Scope1 402 578 Scope1とScope2のGHG排出量を2014年度比で35%削減
Scope2 18,009 21,274
Scope3 358,603
Scope1・Scope2
総排出量
18,411 21,853
データ
GHG排出量推移

GHG排出量に関するデータ

単位:t 2018 2019 2020 2021 2022 対象範囲
Scope1 521 553 498 538 578 連結
Scope2 19,850 19,669 19,509 20,566 21,274 連結
総排出量 20,371 20,222 20,007 30,001※2 380,456※3 連結

※2 2021年度の総排出量には、Scope3:8,897tが含まれています。
※3 2022年度の総排出量には、Scope3:358,603tが含まれています。

化学物質管理推移

PRTR物質の取扱量

単位:kg 2018 2019 2020 2021 2022 対象範囲
PRTR物質の取扱量 4,895 5,883 7,478 9,837 10,483 国内

揮発性有機化合物(VOC)の取扱量

単位:kg 2018 2019 2020 2021 2022 対象範囲
揮発性有機化合物(VOC)の取扱量 8,268 10,403 11,272 14,435 14,882 国内
主な取り組み
再生可能エネルギーの導入

ヨコオグループは、直接的な温室効果ガス(GHG)排出量の削減に向けて、主な温室効果ガス発生源である日本(群馬県富岡市)、中国、ベトナム、マレーシア工場の再生可能エネルギー導入計画を立案し、具体化を図っています。 2022年10月には、環境省の二国間クレジット制度を利用してベトナム工場に太陽光発電システムを設置しました。

ベトナム工場太陽光発電

ベトナム工場に設置した太陽光発電システムの出力規模は1.24MWで、年間発電量は約 134万kWhです。今後は同工場の消費電力の27%は、太陽光から供給される再生可能エネルギー由来の電力に置き換わり、年間で約445t、20年間では約8,900tのCO2を削減することが可能となります。これにより、温室効果ガス排出量削減の目標達成に向けて貢献していきます 。
(詳細についてはニュースリリースを参照)

太陽光発電を導入したベトナム工場
太陽光発電を導入したベトナム工場